スマートフォンからの情報を、メガネのレンズの発光色や音という洒落た方法で知らせてくれるメガネが、クラウドファンディングで資金調達を達成している。
「雰囲気メガネ」という製品名が少々野暮ったいと感じたのだが、製品のプロモーションムービーを見ると、想像していたよりもレンズの色が変わる様子がクールなので、すっかり欲しくなってしまった。
メカニカルな部分よりも、雰囲気を重視したウエアラブルと言える。しかし、実用性は高い。
スマートフォンなどでメールを着信したり、スケジュールやタイマーなど、いちいち端末をチェックすることを気に掛けていなくても──つまり完全にスマートフォンの存在を忘れていたとしても──レンズの色が変化することでさりげなく教えてくれる。
クラウドファンディングMAKUAKEで資金調達達成
「雰囲気メガネ」のコンセプトが発表されたのは2014年2月にバルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレス(MWC)だった。
発表されるとすぐに、欲しいという人やアプリの開発をしたいという人達からの反響が大きかったため、開発を加速するためにクラウドファンディングMAKUAKEで資金を調達するプロジェクトが立ち上げられた。
この記事を書いている時点では既に資金調達は成功しており、141%の達成率となっている。
製品の開発も進み、MWCで発表されたプロトタイプよりも軽量化され、機能も増えている。
「雰囲気メガネ」が目指しているのは、スマートフォンを使用する際の煩わしい各種チェックを、生活に溶け込んだ最新型のウェアラブル・デバイスでさりげなく実現する事にある。
なお、開発は株式会社ルネットとベンチャー企業の株式会社チルダで、ルネットはメガネ販売店のパリミキを傘下に持つ株式会社三城ホールディングスの筆頭株主である。
雰囲気を楽しめる実用的な機能
「雰囲気メガネ」はスマートフォンと連動して動作するが、現段階で公表されている機能は以下の通り。
・ノーティフィケーション機能
スマートフォンが電話を着信したりメールを受信した場合に、メガネのレンズに照射される光の色と音で知らせてくれる。他にもSNSの投稿やスケジュールに登録したアラートも知らせてくれる。
もし、周りの人に気遣う必要がある場合は、音を消して光りも弱く設定しておくことができる。
・タイマー
指定した時間が経過すると、タイマーとしてレンズを光らせて知らせてくれる。
・テンポガイド
設定したテンポでレンズを点滅させることができる。これは例えばジョギングなどのテンポが必要な運動や楽器演奏などの練習に使える。
・モールス機能
これは完全に雰囲気を楽しむだけのお遊びの機能だと思われるが、入力したテキストをモールス信号に変換してレンズの光で表現するという機能だ。
・置き忘れ防止機能
これは非常に役立つ機能で、スマートフォンをうっかりどこかに置き忘れたり落としたりしたときに、レンズの光と音で知らせてくれる。
・音楽同期機能
「雰囲気メガネ」はMIDIやOSCに対応しているので、楽器アプリと連携して、音楽に合わせた光の演出を楽しむことができる。
・パーティー機能
この機能はどちらかというと自分の為と言うよりは、周りの人達に楽しんでもらおうという機能だろう。レンズが華やかに色を変えながら点滅するので、その場の雰囲気を盛り上げてくれる。
スマホを常に手に持っている姿が野暮になるかも
パリミキを傘下に持つ株式会社三城ホールディングスの筆頭株主である株式会社ルネットがプロジェクトに参加しているため、パリミキなどで製品についての対応が行われることはユーザーには便利だ。
例えば店舗に持ち込めば、レンズ交換に応じてくれる。特に嬉しいのは、度付きレンズや遠近両用レンズにも対応してくれることだ。
また、サングラス・レンズへの対応もしてくれる。但し、光によって色が変わる調光レンズや、縁が欠けやすいガラスレンズは推奨できないとしている。
「雰囲気メガネ」でさりげなくお洒落にスマートフォンのチェックをする習慣が付くと、常にスマートフォンを片手に着信などを気にしながら落ち着きの無い行動をしている姿が無粋に見えるようになるかもしれない。
なお、製品の配送は12月中旬から行われる予定だ。