私自身もそうだが、現代人は圧倒的に座っている時間が長い。
しかし、座っている時間が長いと健康を損ねるリスクが高まるという情報を近年あちこちで目にするようになった。実感しやすいのは腰痛で、私は腰痛を防ぐために定期的に体幹部の筋トレをしている。そうでないと、すぐに腰痛になってしまう。
もっとも、座っていることで高まるリスクは腰痛だけではない。さまざまな生活習慣病のリスクが高まるようだ。米国の調査ではがんの発症リスクが高まるという結果も出ている。
筋トレだけで回避できるものではないかもしれない。そういった“長時間着席リスク”の怖さを知った開発者が作り上げたのが、この机だ。
簡単に高さを変えることができる
「LIFT」と名づけられたこの机は、基本的に従来の仕事机の上に設置して使うものだ。天板は簡単に高さを変えることができ、3インチ(7.62cm)から15インチ(38.1cm)の範囲で7段階に調節できる。低い位置で使えば、座ったままPCを操作することができ、高い位置で使えば、立った状態でPCを操作するのに適した状態になる。
つまり、1日のうち、何時間かは立って仕事をしようというものだ。疲れてきたら座ることもできる。医療の専門家によれば、毎日数時間立って仕事をすることは、1年間に10回マラソンを走ることと同等の効果があるという。
まぁ、マラソンとの比較が適切なのかどうかはピンとこないが、少なくとも座った姿勢よりは立った姿勢のほうが人間にとっては自然な形になるはずなので、健康にいいことは間違いないだろう。
机の仕様はカスタマイズできる
この「LIFT」の魅力は高さが変えられることだけではない。使いかたに応じてさまざまにカスタマイズすることができるのだ。たとえばiPhoneやその他のスマートフォンを置くためのドックを設けたり、メモをとるためのホワイトボードや厚手のマスパッドを組み込んだり、飲み物をこぼすリスクを減らすために、カップホルダーをつけたりすることができる。
天板の下には、収納用のボードがついていて、筆記具や小物を置くことができるトレーを備えている。天板の裏側にケーブルを保持するためのコードクリップを備えているというのもいい。
量産化のための資金を募集中
現在KICKSTARTERで資金を募っている理由は、ずばり量産化のための材料と設備の調達のためだ。製品化の技術自体はハードルが高いものではないため、なにも問題はなさそうである。
私個人の話で恐縮だが、座っている時間が長いことによるリスクには不安を感じるので、このLIFTには非常に興味がある。立った状態で仕事をするというのは、能率の面でも悪くなさそうな気がする。そのいっぽうで、天板をもっとも低く設定しても通常の机より高くなってしまうところに抵抗を感じないでもない。健康への意識はひとそれぞれなので、大ヒットするかどうかは疑問だが、試してみたいアイテムだ。
新しいものに敏感なベンチャー企業などでは採用されることもあるかもしれない。健康にいいと同時に、仕事中のフットワークもよくなりそうな予感がする。
*出典:LIFT – Upgrade Your Desk To A Standing Smart-Desk by iSkelter — Kickstarter