TMTの性能と日本の役割
TMTの主鏡は口径30メートルになるが、これは492枚の分割鏡で構成される。この鏡は交換用を含めて574枚必要とされているが、これを日本の株式会社オハラが製造することになっており、既に60枚までは完成している。日本では主鏡以外にも本体構造の製作も請け負っている。
また、TMTの建設には約1,500億円かかるが、その4分の1を日本が負担する。
2014年5月に設立された「TMT国際天文台(TIO)」ではTMTの建設を進める他、完成後の運用も担当する。方針や重要事項については、参加機関からの代表で構成される評議会で決められるという。
初回評議会は同5月に行われており、議長と副議長が選出された。議長にはカリフォルニア大学サンタバーバラ校のヘンリー・ヤン学長、副議長には国立天文台の家正則教授が選出された。
TMTが建設されるマウナケア山頂付近には、日本の「すばる望遠鏡」もある。こちらの主鏡は一枚鏡で口径8.2メートルだから、TMTの主鏡の口径はその約3.7倍となる。このことで光を集める能力においては約14倍になる。
また、観測した画像を乱れさせる原因となる大気の揺らぎを補正する技術も採用していることにより、すばる望遠鏡では困難な暗い天体の観測が可能となる。