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アスリートを守れ!脳の衝撃を感知するセンサーがスマホに警告

スポーツなどで激しい動きをすると、脳も受けてしまう衝撃やダメージがある。脳しんとうなどを起こしたことが、後々重大な障害や生命の危険に繫がることも多い。

「脳の危険」が発生した際に、迅速で適切な処置が必要な事を知らせるセンサーが開発中だ。

jolt,ジョルト脳衝撃センサー1

クラウドファンディング(出資募集)サイトの「KICKSTARTER(キックスターター)で、製造・販売などの資金募集キャンペーンを行っている「JOLT(以下、ジョルト)」は、スポーツ時に受ける脳へのjolt(ショック)を検知するセンサーだ。

jolt、ジョルト、脳衝撃センサー2

専用クリップでヘルメットなどに装着

センサーのサイズは、幅1.37インチ(約3.47センチ)、厚さ0.45インチ(約1.14センチ)と超小型。外装はシリコンラバー製で、ボディマウントされたクリップにより、ヘルメットやヘッドキャップ、ゴーグルなどへの装着が可能だ。

アスリートは、それらに「ジョルト」をセット、競技中に脳に危険な衝撃を受けた場合は「ジョルト」自体が振動し、競技を中止しメディカルチェックなど、適切な処置を受ける必要があることを知らせる。

jolt、ジョルト、脳衝撃センサー3

親やコーチへはスマートフォンで警告

「ジョルト」には、スマートフォン用の専用アプリも付属される。アスリートの親やコーチへも「危険な脳への衝撃」を警告するためだ。

開発されているアメリカでは、「3,000万人以上の若いアスリート達が、競技中に何らかの脳にダメージを受けている」と開発者のベン・ハーヴァタインは言う。特に、若いアスリートの場合は、同伴する親やコーチが迅速な処置をすることが、重大事故の回避には必須だ。

アプリはiOSとアンドロイドOS両方に対応し、ブルートゥースによりセンサーの信号(脳への危険な衝撃)を、アスリートの親やコーチなどのスマートフォンに送る。適応範囲は100ヤード(約91.44m)。「ジョルト」は若いアスリートだけでなく、親やコーチたちにも安心を与える──というのがこのセンサーの売りのひとつなのだ。

jolt、ジョルト、脳衝撃センサー4

実用化で迅速な処置がさらに可能に

アスリートの体や生命を守るためのアイテムや環境整備は、競技にもよるがかなり進んできてはいる。しかし、北米で人気のアメリカンフットボールのように、ヘルメットやプロテクターなど重装備を装着していても脳に重大なダメージを受けることは多い。

危険の迅速な察知をするこのセンサーの実用化で、多くの事故や不幸が回避されることを望みたい。

*参考:Jolt Sensor – Better Concussion Detection for Youth Athletes by Ben Harvatine — Kickstarter