「万里の長城」からもうかがい知れるとおり、かつて中国は長い国境線の防衛に腐心していた。そして、敵襲を遠方の味方にいちはやく知らせる手段として狼煙(のろし)が使われていたことも知られている。
狼煙はリレーをすることで遠方まで高速で情報を伝えることができる。現代でもときどき映画などで再現される狼煙のシーンは非常に壮観で、ロマンを感じる。どうやらこのアイテムの開発者も、狼煙にロマンを感じてしまったらしい。そして作り上げたのがこれ「iScent」だ。
スマートフォンへの着信を狼煙で知らせる
スマートフォンへの着信などを狼煙で知らせてくれる狼煙タワーである。好みの香りのする狼煙(というよりアロマ)をセットできるので、「狼煙で知らせる」というより「香りで知らせる」といったほうが受けがいいかもしれない。特に歴史や戦さマニアでない女性には。
このiScent、スマートフォンとはブルートゥースで接続する。専用アプリを開き、iSentとペアリングを行う。あとはiScentのアロマ噴霧で知らせる項目を選択する。通話の着信、テキストメッセージ、Facebook、Eメール、Twitter、LINEなど、さまざまなSNSで使うことができる。
いつでも楽しめるパーティ・モードも搭載
いちどセットアップしてしまえば、当該アプリをバックグラウンドで立ち上げておく必要もないという。あとは、狼煙タワーを空焚きしないようにということだけ気をつければいい。なお狼煙タワーの電源はUSB(0.5A)。iPhone5S/5C/5/4s、Android4.4に対応する。
通話やメッセージの着信があったときだけしかアロマが楽しめないというのはあまりにも受動的だ、というひとのためにiScentは「パーティ・モード」も搭載している。このスイッチを入れると、歌や会話や叫びにあわせて、アロマを噴霧してくれるというものだ。
量産化のための資金を募集中
さて、このiScent。アプリや基本的な構造は開発済みだ。そして現在量産化のための資金を、クラウドファンディングのサイト、Kickstarterで募集している。
通話の通知など、緊急性の高いものには狼煙(アロマ)はあまり向かないような気がするが、メールやLINEの通知など、すぐに出なければいけないわけでもないものに関しては、狼煙(アロマ)で知らせるというのも悪くないかもしれない。
少なくとも、振動や音で知らされるよりはアロマのほうが風情があって、急かされていない気がする。もっとも、歴史マニアや戦さマニアのひとの場合は、敵襲を知らせる緊急連絡を連想してしまうかもしれないが。
作動の様子は、下の動画でご確認いただきたい。