プリントと切削を同じ設備で行える
このLocal Motorsは、この2014年9月に行われたITMS(国際製造技術ショー)において、その場で3Dプリンターによる自動車のボディ部材を作り上げてみせた。その時間はたったの44時間。さらに各部品を組み込んで自動車を作り上げるのにも2日間で済むという。
もちろんフルスケールの自動車で、ちゃんと動くものだ。
これには、ORNL(オークリッジ国立研究所)によって開発された「DDM(ダイレクト・デジタル・マニュファクチャーリング)」という技術が使われている。これは自動車の製作ができるほど大きな3Dプリンターでありながら、同時に切削等の精密機械加工ができる設備だ。
つまりこれがあれば、あまり大きな生産設備は必要なく自動車のボディが作れてしまうのである。機能的なものにしろ、美的なものにしろ、デザイン変更も容易だ。
じっさい、自動車開発の際の部品の試作などには、すでにあるていど3Dプリンターによる部品が使われている。モノによってはコストや時間を大幅に削減することができる。今後の自動車開発においては3Dプリンターがさらに活躍の場を広げることが予想される。
いまのところ3Dプリンターに使える材質は限られているが、そのいっぽうで3Dプリンターでは、従来の製法では不可能な構造体を作ることが可能だ。あるいは、軽量で高強度なまったく新しい構造の自動車が登場することもあるかもしれない。