寝ても覚めてもスマホスマホ。とかくこの世はスマホばかり、スマホの普及により人々の生活は大きくかわりつつある。電車の中ではもはや新聞を広げる光景はめっきりみなくなり、逆に座席1列全員がスマホの画面に注目している様はよくある光景となった。歩きスマホも非常に多い。
これだけ人々の生活に入りこんだスマホだが、まだスマホを活用できない人がいる。それがドライバーだ。
通話禁止、注視禁止
スマホはドライバーにとって、インターフェース上重大な問題をもっている。それは画面によるタッチインターフェース。これまで物理ボタンがあるガジェットであれば「手探り」で目線を落とさずとも操作できたが、スマホの場合画面を見なければアイコンやボタンが分からず、必ず画面を注視して操作する必要があるからだ。
しかし言うまでもなくこれは危険な行為だ。よそ見運転による事故を誘発してしまうため、法律でも厳罰化が進んできている。
相反する安全性と利便性の両立・Drivemode
世の中がスマホの傾倒する中、運転中だけスマホを使えないのは不便である。そこで画面を見ずとも安全に操作できたら、ということで開発されたのが Drivemode アプリである。
Drivemodeは左右スワイプ、上下スワイプ、タッチという3つのアクションだけで、外部アプリを起動、メニュー選択できるインターフェースをもつランチャーアプリ。操作をすると音声ガイダンスにより現在どんなモードになっているのか確認でき、デモでは目隠しして操作する姿をうつしている。
安全性を高めるスマホアプリ
保険会社、損保ジャパン日本興亜が提供する「Safety Sight -接近アラート&ドライブレコーダー」はいわゆるドライブレコーダー・安全運転支援アプリだが、人気のスバル EyeSightのようにカメラ画像を解析・前方走行車両を認識することで車間距離を計測、異常接近の場合アラートを出すことが可能。スマホを利用することで逆に事故を減らそうという、自動車保険会社ならではのアイディアだ。
スマホ技術が自動車へ
スマホの普及は自動車作りにも影響を与えている。スマホのキーデバイス、小型カメラ、Gセンサー、GPS、タッチ液晶パネルが大量生産されることで安くなり、比較的保守的であった自動車の世界にもビルトインされるケースが見て取れる。
一番顕著なのは電気自動車のテスラモデルS。17インチのタッチ液晶を埋め込み、オーディオやエアコンのコントロールから車両のメンテナンスまで、すべてこのインターフェースで行うことが可能。
テスラはスマホのようにオンラインアップデートに対応しているため、ソフトウェアの新バージョンがリリースされると自動的にアップデートでき、常に最新状態を維持することが可能。テスラ社にとって、自動車は Internet of Things(IoT)のひとつとして捉えていることが分かる。
IoTがもたらす未来
これまで自動車はドライバーが運転するものだったが、IoTのさらなる普及により将来はドライバーが要らなくなるかもしれない。それが自動運転技術だ。
スバル EyeSightのようなステレオカメラによる画像認識技術や、各種センサーの搭載により自動運転技術は進化をしており、2020年頃に各メーカーから販売される予定だ。
(日産自動運転技術自動車)
さらに IoTによりネットワークに接続された各車両が情報を交換することで、危険情報の共有、コンボイ走行といった未来が拓ける。そうなると人間が運転する状況は逆に限定的となり、将来的には100%自動運転が可能となるだろう。
その時、ようやくドライバーは大手をふってスマホをいじることができる。ただしその未来のときにスマホがどうなっているか、もう画面を見なくても操作できるものになっているのかも知れない。