宇宙空間用3Dプリンターの開発
宇宙に飛び立った3Dプリンターは米カリフォルニア州のベンチャー企業であるMADE IN SPACE社が開発した「Zero-G Printer」という製品だ。
Zero-G Printerは地上で設計されたデータを宇宙に送信することで、数センチ程度の立体であれば15分から60分程度の時間で遠隔操作によって出力することができるとされている。
大きさは電子レンジほどで、これをISS内のESA(欧州宇宙機関)の実験装置に設置し、実際に宇宙空間で複雑な形状の立体を作ることができるかどうか、その性能が検査される。
もし地上で設計された立体が宇宙空間でも出力できることになれば、全ての部品を宇宙船で地上から運ぶ必要が無くなるかもしれないのだ。
MADE IN SPACE社では既に、より強度が高く頑丈な工具なども出力できる次世代機の開発も進めている。
宇宙開発で3Dプリンターが期待される理由
3Dプリンターを宇宙に打ち上げたNASAの思惑はどのようなものだろうか。
3Dプリンターが宇宙空間でも使える様になれば、補給船を待たずに部品が作れるようになる。
例えば宇宙で故障が発生した際に、その修理に必要な部品や特殊な工具がその場で調達できるようになれば、補給船を飛ばすという膨大な時間とコストが節約されるのだ。