電動アシスト自転車の野暮ったさを排除
このレトロな自転車が走っていても、それが電動アシスト自転車だとはまず気付かないだろう。
なにしろ現在の電動アシスト自転車のほとんどは、いかにも電気製品です、といった部品や機構が丸見えで、とても洗練されているとは言えないからだ。
しかし「Faraday Porteur」は、電動アシスト自転車であるがために野暮ったくなる部分を巧みに排除したデザインで、オレゴンマニフェスト・自転車デザインコンペで「the ultimate modern utility bike(究極にモダンな電動自転車)」という高い評価を得た。
まず電動アシスト自転車で最も野暮ったいバッテリーが見られない。なぜならフレームの上部(トップチューブ)の中に収まっているからだ。
また、コントローラーや充電ジャックもサドル下の薄い板上の部品にすっきりと収まっている。
ハンドルの下にある籠は木製の底板が使われており、この籠は取り外しが簡単にできる。その籠が乗せられているフレームの先端は、LEDヘッドライトになっている。
しかもハンドルの握り部分やサドル、ミニポケット、チェーンステイプロテクターには茶色の革製素材が使われている。
フェンダーにも竹が使用されるなど、これまでのメカニカルな電動アシスト自転車では考えられなかった拘りを見せている。
このクリーム色のフレームに革製や竹製のパーツを使ったレトロなデザインは、1950年代に欧州で使われたデリバリー用自転車のデザインにヒントを得たものだという。
Faraday Bicyclesの創業者であるAdam Vollmer氏は、サンフランシスコのように坂が多い街では電動アシスト自転車が便利だと考えたが、あのバッテリーやモーターがむき出しの野暮ったい自転車には乗りたくない、と考えたそうだ。
そして「Faraday Porteur」が生まれた。
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