6月3日にJR東日本は記者会見で、2017年春からの運行を目指す豪華寝台列車の導入計画を発表しました。観光で鉄道を利用する人を増やすことが目的です。
ターゲットは鉄道旅行に関心の無かった富裕層や、これから増加が見込まれる外国人観光客です。
今後、日本航空とも提携し、外国人向けの旅行商品の開発も進めるとしています。
発表された列車は2階建てのメゾネットタイプの客室を含む豪華な寝台列車です。まだ列車の名称が決まっておらず、料金も未定です。
外観はシャンパンゴールド色で、10両編成。客室は17部屋でダイニング車両とラウンジ車両が用意されています。先頭車両にはガラス張りの展望エリアが設置されます。
旅行のプランとしては、3~4日をかけて各地を周遊する予定で、JR東日本の冨田哲郎社長は、日本の美しい自然、上質な日本の文化を楽しんでほしい、と話しています。
昨年の10月からJR九州が運行している「ななつ星in九州」に対抗して、豪華寝台列車の旅行需要を取り込もうという姿勢です。
和のモダンを目指したデザイン
車両のデザインをプロデュースしたのは、工業デザイナーの奥山清行氏で、同氏は、秋田新幹線「E6系」や北陸新幹線用「E7系」などの総合デザインも手がけており、イタリアの高級車であるフェラーリなども手がけた実績の持ち主です。
10両編成の内、先頭車と最後尾車には展望スペースがあり、スイート車が5両(各3室)、デラックススイート車が1両(各2室)、ラウンジ車が1両、ダイニング車が1両で構成されています。
客室はスイートルームが15部屋、デラックススイートルームが2部屋の計17部屋ですから、各室2名が定員ですので、一度に宿泊できる乗客は34名となります。
それではそれぞれの部屋のデザインを見てみましょう。
先頭と最後尾の車両にはガラス張りの展望スペースがあります。運転台の位置を低くすることで、見晴らしを良くしています。
食堂車では旬の食材を使った料理が提供されます。
ラウンジ車は、樹木に覆われたような開放的な空間で、天上までの高さが約4メートルあります。
1両に2室の最上級のデラックススイートルームにはメゾネットタイプとフラットタイプがあり、バスタブが備わっています。
1両に3室のスイートルームは合計15部屋となり、その内の1室はバリアフリー設計です。
豪華寝台列車の想定ルート
この豪華寝台列車で想定されているルートは、3泊4日で巡るエリアとして東北地方や東日本などです。また、JR東日本以外のエリアでの運行も検討されています。
冨田哲郎社長は、東日本以外の地域での運行にも意欲を見せています。そのため、この列車はディーゼル発電機を搭載しており、電化されていない地方路線でも乗り入れできる特殊な電気機関車が採用されているということです。
日本を豪華寝台列車で旅行することが、ブームとなるかもしれません。
*画像:「日本を楽しむあなただけの上質な体験」を感じる旅が始まります。(PDF)