空中ディスプレイブース全体
IT/テック

CEATEC JAPAN 2014で空中ディスプレイが注目を集める

「CEATEC JAPAN 2014」の会場に一つのテーマで複数の出展者が集まっているブースがあった。

しかもどの出展者の前にも人が並んで順番を待っているではないか。何事かとブースの看板を見ると「空中ディスプレイ」と掲げられている。

空中ディスプレイブース全体

そう、そのブースは、株式会社アスカネットがエアリアルイメージング事業で協力関係にある企業や大学を集めて、「空中ディスプレイ」を体験させよう、というものだった。

そこで私も、並んでみることにした。

6団体が集まったブース

「空中ディスプレイ」のブースに出展していたのは以下の団体。

まず株式会社アスカネット自身が左端にコーナーを持っていた。以下、左から順に──、

東京大学工学部苗村研究室の「でるキャラ」という空中キャラクターと遊べるコーナー。

インテル株式会社の「RealSenseテクノロジーと空中ディスプレイの融合」というテーマ。

シャープ株式会社の空中ディスプレイを活用した衛生的なトイレ空間。

株式会社JTBプランニングネットワークの店舗向け仮想空間型サイネージ。

株式会社イトーキの近未来の株主総会やプレゼンをサポートするAir Prompter。

そして右端が船井電機株式会社で、走行風景から視線をそらさず入力操作ができる車載型ディスプレイを展示していた。

空中ディスプレイブース左から

全て見学者が体験できるコーナーになっていたため、この「空中ディスプレイ」のブースだけは他のブースと異なり、6列に見学者たちが並んでいるという状況になっていたのだ。

各コーナーの共通点は、AI(エアリアルイメージング)プレートにより空中に映像を表示する技術を応用した展示品であり、この技術が業界を超えて利用できることをアピールしていた。

空中ディスプレイの応用

私が実際に体験したのは株式会社イトーキの「近未来の株主総会やプレゼンをサポートするAir Prompter」だが、確かに映像が空中に浮かんで見えるという不思議な体験をした。

しかも何も無い(フィルムやガラスも無い)空間上に浮かび上がったパネル上のスイッチを指で押すと(といっても何も無いので、空中の画像に指が刺さっているような状況で、実際には何にも触れていない)、その先にある大型スクリーンの映像が切り替わったり動画が再生・停止したりした。

空中ディスプレイブース右から

他にも人気があったのは、シャープ株式会社の空中ディスプレイを活用した衛生的なトイレ空間で、トイレでの各種操作を空中ディスプレイ上の仮想スイッチで操作できるので、不特定多数の人が使用しても衛生的であると言う潔癖症の私向きな内容だった。

もう一つ人気があったのが東京大学工学部苗村研究室の「でるキャラ」で遊ぶコーナーで、ブロックを動かすと、空中に浮かび上がったキャラクターが反応するというものだった。

空中ディスプレイが面白くなってくる

空中に映像が浮かぶことで、仮想現実に臨場感を与えたり、その先にある現実の風景を見ながら別の情報を得たりできる。

また、操作パネルなどを空中に表示すれば、痛まず汚れない操作パネルとなるだろう。

今後はさらに、視覚以外の聴覚や触覚、嗅覚などを備え、インタラクティブ性も高めることで、よりリアリティーのある「空中ディスプレイ」が登場してくるだろう。

*写真撮影:筆者