携帯電話が普及して、事件や事故の際に助けを呼ぶことは、以前よりもやりやすくなった。とはいえ、電話をかけるにもロックを解除してダイヤルして……と多少の手間はかかる。暴漢に襲われたり、性的暴行を受けたときなど、瞬時にSOSを発信することはむずかしい。
そこで、ワンタッチで助けを呼ぶことができるスマートフォンケースがアメリカで開発中だ。現在クラウドファンディングのサイトKICKSTARTERで市販化のための資金を募集している。
このWhistlは、iPhone5、5s、6に適合するスマートフォンケースだ。そして非常時のための警報システムが搭載されている。その内容は、LEDによる光と音による警告、友人や警察への通報、そしてビデオ録画や音声録音のスタートだ。
3つのモードを使い分けられる
しかも、ごく簡単な操作によって、3つのモードを使い分けることができる。まずひとつめは、「チェックイン・モード」。これは左右のボタンを同時に1クリックすると、あらかじめ設定しておいた友人に、自分の位置情報を知らせるメッセージを送ってくれる。5分後アプリが再確認を要求する。そこでもしなんの返答もしなかった場合には、警察に連絡が行く。
次は「パニック・モード」これは、左右のボタンを同時に2クリックする。そうするとLEDが点滅し、同時に警告音が鳴る。もし可能なら状況を伝える内容をメッセージに追加できるが、そうでなくても15秒後には警察に連絡が行く。
もうひとつは「ステルス・モード」。これは左右のボタンをホールドする。この場合はLEDの点滅や音による警告はなされない。あとは「パニック・モード」と同様。状況を伝えるメッセージを追加することもできるし、そうでなくても15秒後に警察に連絡が行く。
誤報防止の機能も備える
もちろん、むやみに警察に誤報が行かないような工夫もなされている。ボタンはタッチセンサーになっていて、バックパックやポケットやカップホルダーの中で圧迫されても作動しない。また、2つのボタンを同時に押さないと作動しない。それにもかかわらず作動させてしまった場合は、15秒以内にアプリ内で暗証番号を入力すれば通知を解除することができる。
ケースの消費電力は非常に低く、充電なしに2〜3年は使えるという。もちろんケースだからiPhoneの保護にも役に立つ。
アメリカほど治安は悪くないとはいえ、日本でもこれがあれば安心だと考えるひとは少なくないだろう。もちろんこのまま日本で使うのは無理だろうが、日本でもこういったサービス、アイテムが登場してもいいと思う。
*出典:KICKSTARTER -Whistl: A smartphone case that protects YOU-、LIFESHEL