先日の「プレーすることで発電できるサッカー場がブラジルに出現」という記事で、「ジム利用者が消費しているエネルギーを、施設のために還元できないものかと思った」と書いたが、さっそくそれに近い考えかたのデバイスが出てきた。同じことを考えるひとは多いようだ。
そもそもエクササイズはエネルギーの浪費という側面もあるわけだから、そのエネルギーを回収して使いたいと考えるのは自然なことなのかもしれない。
現在、KICKSTARTERで量産化のための資金を募集しているそのアイテムだが、名称はAMPYという。ひとが運動すると、その振動によって発電し、それを内蔵したリチウムイオン・バッテリーに蓄える。そしてスマートフォンなど、USBなどで接続できる電子機器にチャージできるというものだ。
30分走れば、スマートフォンが3時間使える
たとえば、目安として、スマートフォン3時間分の電力であれば、1万歩のウォーキング、あるいは1時間のサイクリング、あるいは30分のランニングで発電することができる。同じ電力でスマートウォッチであれば24時間、フィットネストラッカーであれば72時間分動かせるという。
内蔵している電池の特性としては、だいたい1週間分の身体活動による電力をためることができて、数ヶ月は保存できるという。また、家庭用電源で充電することも可能だ。
本体のほかに、スリーブやクリップ、アームバンドも用意される予定で、ポケットに入れたり、腕や脚に装着したり、鞄に入れたりと、さまざまな方法でAMPYを携帯することができる。
専用のアプリと連動させれば、自分がどれくらいのエネルギーを発電したか、どれくらいのカロリーを消費したかといったことなども記録できる。
このAMPY、現在はハンドメイドの試作品という段階だが、これを量産化するための資金を現在クラウドファンディングのサイトKICKSTARTERで募集しているというわけだ。
冒頭にも書いたがエクササイズで消費するエネルギーを別の形で回収するというのは、非常に精神衛生上いい気がする。スポーツクラブのトレッドミルやウェイト類も、どんどんエネルギー回収装置にしていってほしいくらいだ。「自分の健康のため」だけに運動をするよりも、それが「地球環境の保全に役立つ」なら、モチベーションはさらに上がるのではないだろうか。