IT/テック

ボルボ・トラックの新技術は360度を25ミリ秒ごとに監視

ボルボ・トラックから「バーチャル・コ・ドライバー」と呼ばれる新技術が公開された。

Volvoのバーチャル・コ・ドライバー

これは、「Non-Hit Car and Truck(ノン・ヒット・カー・アンド・トラック)」と呼ぶ、ボルボ・トラックとボルボ・カーズとの共同プロジェクトから生まれたものだ。ちなみに、乗用車部門であるボルボ・カーズは中国資本でトラックとは別会社となっているが、技術開発は古巣と仲良くやっているというわけだ。

バーチャル・コ・ドライバー技術とは?

この新技術は、カメラやレーダーやその他のセンサーを一元管理するデータプラットフォームを使い、車両の周囲360度を25ミリ秒ごとに見張り、必要とあれば自動ブレーキを効かせるなどして、事故を未然に防ぐもの。

いわばトラックの中にバーチャルのコ・ドライバーが存在して、運転手を手助けしてくれるという内容だ。また、この技術さえあれば、クルマだけが走行する高速道路以外、歩行者や自転車などが混在する一般道路でも、より安全性が高められる。ボルボ・トラックは、この技術を5~10年で実用化したいと述べている。

自動運転への布石か?

ある意味、この技術は完全なる自動運転へのステップのひとつと言えるだろう。現在でも、前方を走る車両を監視する衝突被害軽減自動ブレーキ(AEB)や車線からの逸脱を監視するシステムは存在している。

そして、それらの技術を統括して、さらに一歩進めたものが「バーチャル・コ・ドライバー」というわけだ。そして、その先に完全なる自動運転が実現する。つまり、自動運転に向けて、一歩ずつ、着実に歩んでいることが伺えるわけだ。

どうしても完全自動運転と聞くと、反射的に「そんなのは無理だ!」と思ってしまう人もいる。

確かに、現状のクルマや道路状況を見れば、「自動運転なんて夢物語だ」と判断するのも無理はない。しかし、技術や進歩は、少しずつ進むもの。そして、思い出したように後ろを振り返れば、「こんなに遠くまで来たんだ!」となる。

交通事故を未然に防ぐための努力に対しては、素直に応援を送りたいと思う。

*参考:Welcome to Volvo Trucks