「オズの魔法使い」に登場する少女の名前から「Dorothy」(ドロシー)と名付けられたウェアラブルは、靴のかかと同士を3回軽くぶつけると作動する。
まるでかかとを成らすと魔法が掛かるように…。
かかとを3回鳴らすとどんな魔法がかかるのか
この愛らしい仕草で作動するウェアラブル「Dorothy」は、米iStrategyLabs社でまだ開発中で、プロトタイプの段階だ。
「Dorothy」は靴に装着する「Ruby」と名付けられた小さなデバイスとスマートフォンにインストールするアプリで構成されている。
「Ruby」を装着した靴を履いているときに、「Ruby」が装着された側の靴のかかとをもう片方のかかとに3回軽くぶつけると、予めアプリで設定した機能が作動する。
「Dorothy」ができることはまだ少ない。
一つは非常に他愛もない機能だが、面倒な会議を抜け出したいときや、あまり話していたくない相手から逃れたいときに、その場の雰囲気を壊さないように抜け出すことができるという機能だ。
つまり、テーブルの下で密かにかかとを3回ぶつけると、自分のスマホに架空の上司などから電話が掛かってくるのだ。
そこで「あら、ボスから電話だわ、失礼」と言って電話に出る振りをしてその場から逃れられる。
そしてもう一つは、今自分が居るところを自動的に位置情報として検出し、予め設定しておいたメッセージと共に、かかとを3回ぶつけるだけで登録してある友人達に送信することができる。
「Dorothy」はLightBlue Beanと、Bluetoothチップが組み込まれたマイクロコントローラー、それに加速度計とコイン型の小型電池で構成されている。
この装置がかかとの動きをキャッチしてスマートフォンにBluetooth経由で知らせる。すると、スマートフォンには予め設定しておいた機能が作動するという仕組みだ。
まだ発展途上のウェアラブルなので…
以上、紹介したように、「Dorothy」は正直まだたいしたことはできない。発展途上にあるウェアラブルなのだ。
形状やサイズもまだまだ進化するのだという。例えばサイズはさらに小型にして、ゆくゆくはインソール型にもできそうだという。
そして現在取りかかっているのは、どこにいてもかかとを3回ぶつければタクシーがやってくる、という機能だ。まさにいつでもどこからでも家に帰れる魔法の靴になるということだ。
この機能は、日本にも進出して話題になったハイヤー・タクシーの即時手配サービスを提供するUber(ウーバー)社のサービスと連携する。
この連携機能が完成すれば、いちいちタクシー乗り場を探したり、電話でタクシー会社に居場所を説明する必要が無い。位置情報が自動的に送信されるからだ。
この発展途上の「Dorothy」に、今後どのような機能が追加されるか楽しみだ。
*画像出典:Dorothy | vimeo