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インドネシアを「LEDランタン」で照らすパナソニックの挑戦

パナソニックの戦略

パナソニックがインドネシアでLEDソーラーランタンを無電化地域に届けることは、ただの企業CSR活動のためだけではない。同社の重要なアジア・ビジネス戦略の一翼を担っている一面もある。

パナソニックの創業100周年にあたる2018年には、インドネシアの照明機器の市場規模が1,200億円に達すると見込まれる。同社はLEDのシェア10%獲得を目標とし、照明分野の海外事業でインドネシアを重要拠点とする方針だ。製品を現地生産し、現在の3%という海外売上高におけるインドネシアが占める割合を、10%にまで引き上げるという。

また、多くの離島や僻地を抱えるインドネシアにとって、LEDと簡易自家発電システムの普及は、国家運営においても重要な意味を持つ。インドネシアのライフラインや災害対策は、大都市部においてさえ万全とはいえず、多くの地方では大災害が起きるとすぐさま社会機能は混乱し、文字通り孤島と化す。

10年前のスマトラ沖大地震の記憶もまだ新しいインドネシアは、地震や津波、火山の噴火が定期的に発生する大災害多発地帯だ。そして多民族・多宗教国家でもある。政府は常に辺境地域における分離独立運動に頭を悩ませてきた歴史をもつ。大災害での適切な対応は、国家安定の根幹ともいえる。

そこでインドネシア政府はパナソニックに協力を仰ぎ、大災害時における初動救助や復旧活動が迅速に行えるためのシステム作りに着手した。

これまでの大災害時の豊富なデータとノウハウを持つ日本企業パナソニックが、電力網壊滅下における電力確保、指令センターや避難所の迅速な設置、真水の供給や屋外インフラの簡易復旧システムなど、インドネシア全土に向けて災害対策システム全般を構築する。

そして、離島や僻地に多くのLEDライトや簡易自家発電装置があることが、救助や復旧活動を大きく助けることになるだろう。その結果、多くの命が失われずにすむことになるに違いない。