IT/テック

痛い!注射の失敗を避けられるイノベーション2つ

血管を見抜くウェアラブル端末

紹介したいツールは2つ有る。まず一つ目は医療用画像機器メーカーの米Evena Medical社が昨年の11月に発表した「Eyes-On Glasses」だ。

「Eyes-On Glasses」はメガネ型ウェアラブル端末で、つまり皮膚を透視して血管の位置を見抜くスマートグラスと言える。

この「Eyes-On Glasses」を利用すれば、外観からは分かり難い血管も簡単に見透かせるので、静脈注射も容易になるという。

実は「Eyes-On Glasses」は、セイコーエプソン製の「Moverio」をベースに開発した製品だ。

「Eyes-On Glasses」が皮膚の下にある血管を可視化できるのは、近赤外光で血管内のデオキシヘモグロビンを強調表示し、2つの立体カメラで画像化しているからだという。

そのデジタル画像をメガネのスクリーンに投映している。また、この画像は電子カルテシステムにWi-FiやBluetooth、3Gなどを経由して転送できる。

Eyes-On Glasses

血管を浮き立たせるハンドヘルドデバイス

もう1つは皮膚の上に、直接血管の位置を表示するハンドヘルドデバイスだ。

この装置を注射したい場所の皮膚に向けると、皮膚の上に血管の位置と形状が明瞭に浮かび上がってくる。

これは前述の「Eyes-On Glasses」と基本的には同じ血液の性質を利用している。つまり、血液中のヘモグロビンが赤外線を吸収する性質を利用しているのだ。

やはり赤外線ライトを皮膚に当て、血管の位置を感知したデータで血管をマッピングし、皮膚に血管の地図として投映している。動画では緑色の光で血管の位置を示している。

この装置は既にオーストラリア赤十字の血液銀行がシドニーの病院で世界に先駆けて採用している。

何しろ同赤十字では年間130万もの献血で血液を集めている。そのため、採血に費やされる時間も無視できないものとなっている。

そこで採血者が血管の位置を探す時間や、注射をやりなおす時間を短縮するためにこの装置が活躍している。