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遺伝子検査への認知度が100%に達し普及へ弾み

FUTURUSでも注目してきた遺伝子検査

ところでこの遺伝子検査についてはFUTURUSでも注目してきており、これまでに3回の記事で取り上げている。

最初に取り上げたのが今回の意識調査を行ったDeNAライフサイエンスの「MYCODE」という遺伝子検査サービスについてだった(参考:「DeNA子会社の「遺伝子検査サービス」が予防医療をもっと身近に」)。

2014年の7月に発表されたサービスで、遺伝子検査から生活習慣病や癌などのリスク、体質などについて調べられるというものだ。個人が自宅で検査キットを使って簡単に遺伝子検査を申し込むことができるサービスの走りといえる。金額もコース別に9,800円から2万9,800円(いずれも税別)と、リーズナブルと言える範囲だ。

同社のコンセプトは「Sickケア」から「Healthケア」を目指すことだとしている。

次に取り上げたのはジェネシスヘルスケア株式会社が発表した「GeneLife Myself」についてだった(参考:「性格が知りたいなら遺伝子分析すればいいじゃない」)。

こちらは病気や体質だけではなく、生まれ持った性格や行動傾向について調べられるというサービスだ。やはり検査キットを使い、環境因子と遺伝的素質の観点から現在の個性と生まれ持った個性の違いを知ることができるという。自分の性格を医学的に把握することで、長所を活かし、短所を改善し、健全な精神状態を保つことを目指すという。

そして3つめに取り上げたのが、Yahoo!ヘルスケアの「HealthData Lab」に言及した記事だった(参考:「なぜ彼らはこぞって遺伝子検査サービスを始めるのか」)。

この記事では、遺伝子という究極の個人情報がどのように管理され使われるのかについて考察している。

遺伝子検査市場は拡大する

遺伝子検査が個人レベルで気軽に受けられる商用サービスとして提供されるようになっていることは、よくよく考えれば驚くべき事だ。

個人がサービスを受けるために提供した遺伝子情報は、個人情報との紐付けが切り離された状態になれば、病気や性格などとの関連を調べる為の膨大なデータベースとなる。つまり、企業や研究機関としては、利益を上げつつ研究材料を集めることができるとも言える。

遺伝子検査サービス市場は株式会社シード・プランニングの調査に依れば、現在はおよそ3,750億円で、2020年には7,800億円にまで成長すると予測されている。

遺伝子検査受託の市場予測

まもなく、私たちは占い本を読むような気軽さで、遺伝子検査サービスの結果に一喜一憂する日々を迎えようとしているのかもしれない。

*最後以外の図表:株式会社ディー・エヌ・エー調べ