コンピューターを多用するようになって、部屋が暑くなった。あるていどの年齢以上のひとなら、実感しているひとも多いのではないだろうか。
オフィスビルの空調はおそらく昔よりも仕事が増えているはずだ。電気代を抑えるためにも、地球温暖化の抑制のためにも、エネルギーを使わず効果的にビルを冷ます方法はないものか。
いい方法がある。宇宙に放出してしまえばいいのだ。そうすれば地球温暖化も抑制されるはず。そんな普通には考えつかない方法を、アメリカ・スタンフォード大学の研究者が発表した。ハイテク素材でできたミラー状の器具を使って、太陽熱を反射するだけでなく、ビルの熱を宇宙に放射するというのだ。
使うのは多層質の非常に薄いコーティング素材だ。この素材は光をコントロールできる。可視光線だけでなく不可視光線もだ。この不可視光線のうち、赤外線が特に意味を持つ。熱の伝わりかたには「伝導」「対流」「放射」があるが、「放射」は赤外線によるものだからだ。日陰より日向のほうが暑いのはおもにこの「放射」のためだ。
Next 熱を赤外線として放射する
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