植物から石油化学製品が作れる
これはつまり、バイオマスから石油化学製品が作ることができることを意味するという。直接得られるものは、完全に蒸留されたガソリンの一歩手前にあたる物質だ。これは従来の方法で精製されたガソリン燃料の部分的にとって代わるグリーン添加物になりうるという。
もっとも、実際に適用の可能性が高いのは、エチレンやプロピレン、ベンゼンなどの製品だ。ブロックや、絶縁体、コーティングなどに使われることが想定されるようだ。
「経済的観点から見れば、セルロースは大きなポテンシャルを持っている」と研究者のひとりSels教授はいう。
「セルロースは植物の廃棄物からとれるので、食糧とも競合しないし、どこにでも手に入る。そして、専門用語で”ライト・ナフサ”という5、6個の炭素原子を持つ炭化水素を作り出すことができる。現在、原油やシェールガスからそういった炭化水素を精製するのは難しくなってきて、コストも上がっている。いずれセルロースからとれる炭化水素がその代替物になっていくかもしれない」(Sels教授)
石油が大昔の植物の化石だとしたら、将来、植物から石油の代替物が採算のとれるコストで作れるようになってしまう可能性はあるのかもしれない。そうすると植物由来の石油というサステイナブルな資源が登場することになるのだろうか? ともあれ、石油化学工業の未来にも、まだまだ可能性が広がっていそうだ。
*出典:KU Leuven news -Researchers find way to turn sawdust into gasoline-
- 1
- 2