2015年は、阪神・淡路大震災からちょうど20年目となる。
みなさんはあの日、どこで何をしていただろうか?まだ年端もいかない子供だった私でも、事態の異常さに、ざわついた感覚を抱いたのをよく覚えている。
しかし時の流れとは幸か不幸か、そういった感覚や記憶を薄れさせていってしまう。神戸新聞社は、そんな過去の記憶を風化させないための試みとして、iOSアプリ『Yesterscape』と連動し、震災時から今日までの歩みを写真で体験できるコンテンツ「阪神・淡路大震災 on Yesterscape」の提供を開始した。
阪神淡路大震災20年の歩みが分かるARアプリ
神戸新聞のWebサイト「神戸新聞NEXT」は阪神・淡路大震災20年の歩みをまとめた特設ベージを開設。
「阪神・淡路大震災 on Yesterscape」はその中の一環で、撮影した”場所”で写真を保存できるARアプリ「Yesterscape」と連動し、災害のあった場所に同アプリを照らし合わせると、当時の写真や現在までの約20年間の歩みを体験できるという試みを行っている。コンテンツを体験するためにはiOSアプリ「Yesterscape」のインストールが必要。
公開されている写真は神戸新聞社が撮影、保管していたもの。
災害当時、テレビや新聞の報道で何度も被災地の状況を目にしたが、ああいった情報はごくごく一部で、実際には新聞記者が歩きながら撮影した膨大な写真が眠っており、よりリアルに当時の現状を知ることが出来るようだ。
ARアプリの特性を活用し、同じ位置でもアングルを変え、様々な様子を知れるように工夫したそう。
特設ページでは当時と現在を比較できる「デジタルマップ」も
また、特設ページ「阪神・淡路大震災」では、当時の様子を写真と共に閲覧出来る「デジタルマップ」というコーナーも設けた。400カ所以上の街角の風景を地図上にプロットし、当時と現在の被災地の様子を比較出来るようになっている。
デジタルコンテンツを”場所”でアーカイヴするというアプリはこれまでも幾つか見かけたことはあるが、ここまで本格的な活用は今までなかったかもしれない。
震災を知らない今の子供達でも、スマートフォンアプリなら興味を持ってくれるかもしれないし、町歩き授業などと組み合わせれば、臨場感をもって当時の様子を知ってもらえる。
これまで人類が歩んできた歴史や、それに関する資料はまだまだたくさん眠っているだろう。それらの新しい活用方法のヒントとなるのではないだろうか。