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防弾チョッキにも最適?最新の素材グラフェンを活用せよ

グラフェンという物質をご存じだろうか。2004年に発見された比較的新しい物質で、現在注目されているもののひとつだ。

電気的特性や光学的特性など、さまざまな面でユニークな特徴を持つので、活用が研究されている。当サイトの過去記事「ポスト「リチウムイオン」の座を狙う革命的バッテリー3選」でも紹介されているがウルトラキャパシタなどに使われるようだ。

このグラフェン、なにかというと炭素原子1個分のみの厚みのシートだ。炭素原子が六角形のセルで平面的に結合した非常に薄いものである。そのグラフェンに関して、ユニークな研究が発表された。アメリカ・ライス大学によるものだ。

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それは、グラフェンは非常に衝撃吸収性が高く、ボディ・アーマーや宇宙機の保護に最適だというものだ。以前からグラフェンが鉄よりも強度が高いことは予想されていたが、ライス大学の材料工学者エドウィン”ネッド”トーマス氏は、運動エネルギーを消散させる機能において、グラフェンは鉄の10倍優れていることを明らかにした。

トーマス氏らのラボは、レーザーのエネルギーを使って微粒子を射出する実験装置の先駆機関で、顕微鏡でしか見えないレベルの球体を、非常に正確な速度で、しかも秒速3kmを超える高速で射出する技術を持っている。

その装置での実験の結果、3.7ミクロンの弾は何枚も重ねられたグラフェンのシートを撃ち抜いたが、グラフェンのシートに残されるのは単なる穴ではなく、花びら状に広がった裂け目をともなうことがわかった。これはグラフェンのシートが破れる前に、かなり伸びていることを表している。

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