火力発電所も、原子力発電所も、発生させた熱エネルギーを使って発電を行う。しかし、その熱はすべてエネルギーに変えられるのではなく、残りは空気や海水などに放出される。
ガソリンを燃やして走る自動車でも、残りの熱はラジエターを使って空気中に放出されている。そういった低い温度の熱エネルギーはいまのところ効率よく利用することができず、もっぱら捨てられているだけなのだ。
しかし、その低い温度の熱もエネルギーとして活用することができれば、地球温暖化対策に役立つはずだ。そういうコンセプトのもとに、低い温度の熱で発電をすることができるバッテリーを、ペンシルベニア州立大学の研究チームが発表した。同大学のウェブサイトで発表されている。
これまでも、低い温度の熱を活用する研究は行われてきたが、生み出せるエネルギーがあまりにも少なかったり、安定して供給できないなどの難点があった。
同大学のBruce E. Logan教授らのチームは、この問題を解決する方法として、銅を電極に使い、陽極液にアンモニアを加えた、熱で充電できるバッテリーを開発した。
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