青い光に殺虫効果がある
これまで知られていたのは、波長が短い紫外線のUVC(100~280nm)やUVB(280~315nm)が生物に対して強い毒性があるということだった。
しかしそれも殺菌効果があるといったレベルの話で、比較的高等な生物である昆虫が可視光で死ぬなどとは考えられてこなかったのだ。
せいぜい400~500nmの青色光が、人の目に傷害を与えることが分かってはきていた、という段階だった。
しかし昆虫の種類によっては、紫外線よりも青色光の方が殺虫効果が高い事が確認されたという。
例えば直射日光に含まれる青色光の3分の1程度をLEDで再現し、ショウジョウバエの蛹(さなぎ)に青色光として照射したところ、蛹は死亡してしまった。
また、卵や幼虫、成虫も467nmの光で死亡することが確認できている。
蚊やヒラタコクヌストモドキ(小麦粉などの害虫)などにも青色光が殺虫効果を持っていることも分かっている。
ただ、蚊はショウジョウバエよりも青色光に強いこともわかり、直射日光に含まれる青色光の1.5倍程度の強さで死亡した。
一方ヒラタコクヌストモドキの蛹は直射日光の5分の1~4分の1程度の光で死亡することが確認できた。
つまり、昆虫の種類や状態によって、死亡する青色光の強さや波長が異なる事も分かったのだ。
同時に、光の波長が短いほど動物の致死効果が高いという従来の考え方は当てはまらないことも立証できた。
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