ずいぶん前からファミリーレストランや牛丼チェーン店では、大声を上げて店員を呼ばなくても、テーブル上のボタンを押すだけで店員を呼び出すことができるようになっている。
また、一部の回転寿司店などでは、タッチパネル上でメニューを選べば、食べたいものがテーブルまで届けられる様になっている。
店で店員を呼べないシャイな私にとっては非常に便利なシステムたちだ。
しかし、何を食べたいのか、という潜在意識にまで先回りしてしまおうというシステムが英ピザハットで開発されたという。
客の目の動きから、今食べたいピザのトッピングを拾い出してしまうと言うのだ。
潜在意識なら食べたいメニューは瞬時で決まる?
英ピザハットがスウェーデンの視標追跡技術開発会社のTobii社の協力を得て開発した「subconscious menu」(潜在意識メニュー)は、客がタブレット上の何処を見ているかということを解析する視線追跡技術(網膜追跡技術)で、客が現在欲している食材を分析するというシステムだ。
「subconscious menu」はまずイギリスの300店舗で2014年10月から試験導入されている。
このシステムを利用すれば、客はピザのトッピングで悩む必要はなく、タブレット上で食材を眺めるだけで良いという。
すると「subconscious menu」が客の視線がどの食材を意識したかどうかを解析し、今客が欲しているのはこのトッピングだ、と判断する。
そして客が自分でも気付かないうちに潜在意識で食べたいと思っていたトッピングの組み合わせを提案してくれるのだ。
しかもこのシステムはかなり気が短いのか、客が自分ではなかなか決められないトッピングでも、僅か2.5秒も眺めれば客が潜在意識で欲していたメニューを決定してしまう。
ただ、システムが決定したメニューを見て、「え? 自分はこれが食べたかったのか?」と疑問が生じた場合は、「再スタート」ボタンを見るだけでキャンセルできるから、システムにメニューを強制される心配は無い。
ただ、占い的に、「ああ、そうだったのか。私はこれが食べたかったのか!」とシステムの分析結果を楽しめるのではないだろうか。
現在タブレットには20種類のトッピングが表示されており、4,896の組み合わせがあるというから、確かに迷いだしたら切りが無い。
私の様な優柔不断な客には便利かもしれない。
早く自分の潜在意識が欲しているメニューを試したい
試験導入の結果、「subconscious menu」が決定したメニューは、なんと顧客の98%が満足したと言うからかなり優れたシステムだと言えそうだ。
英ピザハットによれば、イギリスでの導入が成功すれば、次は北米に導入する予定だという。
そこでも成功すれば、いずれ日本でも導入されるかもしれない。
早く自分の潜在意識が欲しているピザを食べてみたいものだ。
*画像出典:Pizza Hut Restaurants Subconscious Menu with Tobii Eye Tracking | YouTube