インドネシアの多種多様な祝日
インドネシア政府発表の暦を使って、ざっと2015年の各祝日を追ってみよう。
・ 1月3日 ムハンマド生誕祭(マウリド・アン=ナビー)
預言者ムハンマドが誕生した日を祝う。ムスリムが使うヒジュラ暦は354日が1年とされるため、グレゴリオ暦に対し毎年約11日ずつ早まっていく。
・2月19日 イムレック(中国歴2566年元日)
古くから商業・交易の中枢を成す華僑たちが使う中国歴の正月。帰省や旅行、バーゲンセールなどもインドネシアでは盛大に行われる。
・ 3月21日 ニュピ(サカ暦1937年元日)
ヒンドゥー教徒が使うサカ暦における元日。バリ・ヒンドゥーではサカ暦に加え、1年が210日のウク歴を組み合わせて使うため、1年中祭礼日だらけとなる。そのなかでもニュピは最大の祭日で、前日の大晦日は日本の“ねぶた”にも似たオゴオゴと呼ばれる悪霊の山車を引きながら練り歩く。
道路は山車と人々で溢れ、想像を絶する交通渋滞が発生。また、ニュピ当日は悪霊が島から過ぎ去るのを屋内でじっと待つ日なので、外国人や旅行者も外出が禁止される。空港も24時間閉鎖されるので、この期間に旅行する際は要注意。
・ 4月3日 キリスト受難日(聖金曜日)
イエス・キリストが人類のために自ら難を受け、十字架で処刑されたことを記念する日。多くの教会で厳粛なミサが執り行われる。
・ 5月1日 レイバーデー
2014年から新設されたメーデーの祝日。数年前まで頻発していた労働者の賃上げデモやストライキに対して、政府がとった対応策の一つ。
・5月14日 キリスト昇天祭
磔での死から復活したイエスが天へ昇った日。
・5月16日 ムハンマド昇天祭
ムハンマドが大天使ガブリエルに伴われ昇天し、預言者となった日。
・6月2日 ワイサック(ブッダ生誕記念日)
仏教徒最大の行事。世界遺産にも指定されているボロブドゥール寺院遺跡に国内外から僧や仏教徒、観光客たちが大勢集まり、壮大な祭りが行われる。
・ 7月17日、18日 イドゥル・フィトリ(断食明け大祭)
イスラム教徒最大のイベント。1か月間の断食を終え、一族が集まり賑やかに過ごす。16・20・21日も政令指定休日となり、日曜も含め6日間の祭日となる。旅行に出かける人も多く、道路や観光地は大混雑となるので旅行者は要注意。
・8月17日 独立記念日
玉音放送により日本の敗戦が決まった日の2日後、再びオランダによる支配が始まることを恐れたスカルノら民族主義者がジャカルタにて独立を宣言。その後4年に亘る独立戦争へと突入するが、この日が正式な国家の独立の日とされる。
この日の式典ために全国各地の子供たちが行進の練習を行うのだが、公道で練習することが多く激しい渋滞を巻き起こす。今年2015年は独立70周年であり、例年以上の式典が執り行われる予定。
・9月24日 イドゥル・アドハ(犠牲祭)
アブラハムが長男イシュマエルをアッラーの神に犠牲として捧げた日。ムスリムはモスクや集会所で牛やヤギをと殺し捌いて、貧しい者へ分け与える。
・10月14日 ヒジュラ元日(イスラム歴1437年元日)
ムハンマドがメッカでの布教を諦め、ヤスリブ(メディナ)に移住した記念日。イスラム社会で移住は“ある人間関係を断ち切り、新しい人間関係を構築する”という重要な意味合いを持つ。イスラム教における新年を迎える日。
・ 12月25日 クリスマス
2015年は24日も祝日で、土日も含めると4連休となるケースもある。日本同様サンタのコスプレをした販売員が商店に溢れ、ショッピングモールには巨大ツリーも登場。しかし、クリスチャン以外はクリスマスを祝うことは憚られるので、買い物をしたり楽しくパーティーをする日という扱いになっているようだ。
なお、政府指定休日は突如変更される場合もある。また、突然の選挙でほとんど祝日のようになることもあるのでご注意を。
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