自動車産業界で大きなウネリが生まれている。その根源となるのが、「テレマティクス」だ。
テレコミュニケーション(情報通信)とインフォマティクス(情報工学)が融合したサービスであるテレマティクスは、2014年に様々な動きがあった。
トップIT企業によるカウンターパンチの応酬
(1) OAA
2014年1月、アメリカ・ラスベガス。グーグル、GM、アウディ、ホンダ、ヒュンダイ、そして半導体大手のNVIDIAが、新しいコンソーシアムを立ち上げた。「OAA(オープン・オートモーティブ・アライアンス)」である。
アンドロイドをOSに持つスマートフォンと、車載器の連携を強化。さらに、アンドロイドを車載器OSとしても採用し、「ついにグーグルが、クルマに本気になった!」と、自動車業界全体に激震が走った瞬間だった。
(2)CarPlay
2014年3月、スイス・ジュネーブ。アップルはOAAに対抗して、iPhoneと車載器の連携について独自戦略を具現化した。
それが、「CarPlay」だ。クルマでiPhoneを快適に使うためのシステムで、Siriを通じてマップを表示させたり、電話をかけたり、メールを送信したりできる。
(3) Windows in the car
2014年4月、アメリカ・シアトル。マイクロソフトは、グーグルとアップルに対抗して、スマートフォンと車載器の連携システムを発表した。
その名は「Windows in the car」 。通信技術規格「MirrorLink」を採用し、無線で接続できる点がアップルのCarPlayと異なる。
(4) Android Auto
2014年6月、アメリカ・サンフランシスコ。グーグルは、アップルのCarPlay、マイクロソフトのWindows in the carに対抗して、OAAの第1段階を具現化した。
「Android Auto」の誕生である。シンプルで直感的なインターフェース、Googleマップを使ったナビシステム、最新の音声操作などが特徴である。
(5)Fire Phone
2014年6月、アメリカ・シアトル。アマゾンは、スマートフォンの「Fire Phone」を発表。カメラとマイクを使った認識機能「Firefly」を搭載し、
本や音楽、日用品などのパッケージを認識し、アマゾンから直接購入することが可能となった。
自動車及びIT業界では「車載器との連携も当然、視野に入っているはず」と、囁かれている。
戦いの舞台は商品化へ
2014年の下半期、自動車メーカーはテレマティクスの商品化を急いだ。グーグル、アップル、マイクロソフト、アマゾンの動きを見ながら、各社が戦略を練っている。
「もう後戻りできない」と、日系自動車メーカー幹部はつぶやいている。2014年は、クルマ とIT、食うか食われるかの熾烈な戦いが始まった年だった。