アップルの「CarPlay」、グーグルの「Android Auto」など、次世代型テレマティクスの登場でスマホとクルマが急接近。2014年はクルマとITの融合が本格的に始まった年だった。
それでは 2015年、ITの本場、アメリカでは何が起こるのだろうか? 筆者のこれまでの各種取材をもとに、注目すべき2015年のクルマとITの動きを紹介しよう。
ウェアラブルとヘルスケアの車内進出
メガネ型デバイスの「Google Glass」など、ウェアラブルなデバイスが話題となったのは2013年のこと。そして2014年には、ソニーやサムソンから腕時計型デバイスが登場するも、ブレイクするまでにはいたっていない。
その理由は、世界市場全体が「Apple Watch」を待っているからだろう。
心拍を読み取り、加速度センサーにも連携するApple Watchは、ヘルスケアとの連携がキーとなってくるため、「CarPlayとApple Watchがヘルスケアと連携すると、運転の安全性、自動車保険など、様々な研究領域でビジネスモデルが構築できそうだ」といった声が、多くの自動車開発者から聞こえてきそうだ。
OBD2ポートを活用するビジネスモデル
車両自己診断装置の「OBD2」。エンジン周りの電子制御などを行うECUを連携させるCAN(コントローラー・エリア・ネットワーク)を介して、車両の走行状況が把握することができる。
運転席の下部にあるOBD2の専用ポートに、ドングルと呼ばれる小型機器を接続。そこからBluetoothを使ってCANからの情報をスマホに飛ばすことで、GPSやWi-fiを通じてクルマを駐車した位置と時間を通知したり、燃費を教えてくれたりしてくれる。
アメリカではこうしたOBD2ポート活用型のビジネスに、ベンチャー企業が続々と参入している。日本ではガリバーインターナショナルの「DRIVE +(ドライブプラス)」が2014年後半に立ち上がったばかりだが、2015年は自動車保険分野での活用が本格化する気配もある。
ドローンの本格始動がクルマに影響を及ぼす
グーグルやアマゾンが商用化を目指している、垂直離着陸が可能な小型の無人飛行体「ドローン」。2014年には、リナックス・ファウンデーションがオープンソースで開発するための「ドローンコード・プロジェクト」も設立した。
こうしたドローン実用化の流れは急加速しており、2015年は様々な具現化モデルが登場するだろう。
そのなかで、宅配での商用化が最も早く実現しそうだ。また、偵察や緊急物資の輸送など、警察や消防の車両からドローンが飛び立つこともありえるだろう。
2015年はクルマとITの新たな融合がますます進みそうだ。