2014年11月、ISS(国際宇宙ステーション)にスペースデブリ(宇宙ゴミ)が衝突するおそれが生じ、ドッキングしていたESA(欧州宇宙機関)の宇宙船のスラスターを作動させて回避させたという報道があった。
映画『ゼロ・グラビティ』を観た方ならご存じだろうが、軌道上に散乱しているスペースデブリは宇宙開発において大きな問題となっている。
使用済みの衛星やその破片、分離物などであるスペースデブリは、誰かが回収しないかぎり、長期間にわたって軌道上を周回し続ける。それが稼働中の人工衛星や宇宙ステーションに衝突すると重大な事故になりかねないのだ。
そこで、NASAのジェット推進研究所『Jet Propulsion Laboratory』では、スペースデブリを回収することを検討している。
しかし、どうやって散乱しているスペースデブリをキャッチし、回収するのだろうか? そこで今回は、“ヤモリ”の足にヒントを得た機構を紹介する。
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