一時期3Dのテレビが話題になっていたことがあったが、すっかり下火になった。テレビは基本的にインタラクティブ(双方向)ではないので、当然だともいえるだろう。それほど3Dであることに需要とメリットはなかったのだ。
2014年に話題が豊富だったのはヘッドマウントディスプレイだ。こちらは視覚的に外界をシャットアウトするので没入性では最高だ。ただし、そのぶん使うときには少し覚悟が必要だろう。
“没入性”と“始めやすさ”でいえば、その中間的なアイテムを、HP(ヒューレット・パッカード)が発表した。PC用の3Dモニターだ。
デジタルと物質世界とのあいだの壁を引き下げる
『HP Zvr』と名づけられたこのモニターは、zSpaceの技術を使って3D表示の画面表示を可能にしている。同社のウェブサイトによれば、デジタルの世界と現実の物質世界とのあいだの壁を引き下げるものだという。
3Dイメージに対応するソフトを使えば、ユーザーは自然に、リアルタイムに、バーチャル・リアリティのアプリを操作することができる。PCの前にいながらにしてカエルの解剖ができるといった、インタラクティブな使い方が可能になるのだ。
一方で、HP zViewという技術を使えば、3D映像をリアルタイムで2D映像にして大きなスクリーンに映し出すことも可能だ。そういった拡張性を備えていれば、さまざまな使い方が考えられる。
3D表示ができる『HP Zvr』のスペックは以下のとおり。
・スクリーンサイズ:23.6インチ
・解像度:1920 x 1080 / 60Hz
・接続方法:DisplayPort / DVI-D / 3 USB Ports
学習時に直感的な理解が容易になる
PC用の3Dモニターは、特に教育的な使用に有効なのではないだろうか。なかでも理科や数学に関しては、かつての静止画や2D映像に対して、思ったように動かし見たいアングルから見られるインタラクティブな3D映像は、はるかに直感的な理解が可能だ。
仮想現実のインターフェイスとして、3Dテレビやヘッドマウントディスプレイと比べても、一般的なユーザーとの親和性が高いのは、PC用の3Dモニターではないかと思われる。
この『HP Zvr』、今年の春ごろには発売予定だという。 なお、HPは同時に4K、5Kのディスプレイや湾曲型ディスプレイも発表している。
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【参考・画像】
※ HP Debuts Virtual Reality Display Reducing the Barriers Between Digital and Physical World – HP
※ zSpace