白い壺を黒い壁の手前に置く、そして壺ではなく黒い背景に注目してみると、向かい合ったふたりの人物の横顔が浮かび上がる。
そんなトリックアートをどこかで見たことはないだろうか。『ルビンの壺』とも呼ばれるものである。
ルビンの壺が作られたのは100年くらい前のようだが、現代においては、誰の横顔のシルエットを使っても、簡単にルビンの壺が作れるようになった。3Dプリンターがあるからだ。そんなサービスがクラウドファンディングのサイト『Kickstarter』で資金を募集中だ。
横顔の写真から製作できる
この『fahz』と呼ばれるシステムの原理は簡単だ。ユーザーは自分の横顔が写った写真を送る(自分じゃなくてもいいが)。できれば鮮明でコントラストのはっきりした写真のほうが好ましい。そうすると、その横顔の輪郭をトレースして、シルエットがその形状になるようなルビンの壺を3Dプリンターで製作してくれるというものだ。
使用するのは軽量で頑丈なPLAというプラスチックだそうだ。面白いのは、実際には立体を作るため、見る向きに応じて何人もの顔の輪郭を持たせることができるという点だ。
ひとりの顔の輪郭からでも作れるし、家族全員の顔を取り込むこともできる。また、3Dプリンターを使うのでサイズの自由度も高い。
単なる個人的な母の日のプレゼントのアイデアから発展し、商業化を考えるようになったというこのサービス。当面の資金集めの目標は自前の3Dプリンターを購入することだそうだが、いずれは専用のアプリを開発して、ユーザーがアップロードした写真から即座に壺の完成画像を見られるようにしたいという計画もあるそうだ。
『Kickstarter』における出資では、30ドルから壺を作ってもらうことができる。今年の母の日までに発送できることを目標にしているそうだ。
結婚の記念に作ったり、家族やグループで作るのもいいかもしれない。あまり大きくないものも作れるので、人生の節目に何度か作っても、それほどかさばるものではないだろう。
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