予防接種や治療の際など、小児病院でかなりの頻度で行われる注射。
しかし、「注射」と聞いたら嫌がる子がほとんどで、「子供の通院がなかなかスケジュール通りに進まない……」という悩みを持った人も多いはず。
そんななか、カナダの小児病院では注射をする際にロボットが思わぬ形で活躍していることをご存知だろうか?
コミュニケーションで緊張を緩和する
このロボットは『MEDi』という名前で、コミュニケーションを取ることで注射の痛みを上手く紛らわせてくれるという。
製作したのはフランスのAldebaran Robotics社で、カルガリー大学が医療に応用できるようにプログラムし直したものとなっている。
『MEDi』がどのようなコミュニケーションを取るかというと、まず簡単な挨拶から始まり、自己紹介や好きなもの質問をするなど、注射を受ける子どもが恐怖を忘れてしまうような楽しい話題を持ちかけてくれる。
医師が注射を始める際には、『MEDi』が子どもの近くに置いてあるおもちゃに息を吹きかけるようリクエスト。すると、息を吐いたことにより緊張の緩和や痛みの感覚を紛らわせるので、何事もなかったかのように注射が終わってしまうそうだ。
さらに、注射が上手く行った時には「Give me five(ハイタッチしよう!)」と手をかざしてくれるので、注射が怖くなくなるどころか、注射が楽しみになってしまう子だっているかもしれない。
医療用ロボットの今後
この『MEDi』のような成功例を見ると、「いずれは医療の多くがロボットでの作業になっていくのか……」と思ってしまっても不思議ではない。だが、人の命に直接関わるものなので、最終的なコントロールは必ず人の手で行わなければいけないだろう。
しかし、『MEDi』のように“人が行う医療”のアシスト役や、人の手ではできない作業をする役としては無限の可能性を秘めている。是非、今後も人がよりスムーズに治療を受けられるような医療用ロボットの発明が増えることを期待したい。
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