インターネットへのアクセスだけでなく、コンピューター自体へのログインにおいても、常にセキュリティの問題はつきまとっている。
いや、情報漏洩などの犯罪は、高度な技術を駆使したネット上のハッキングよりも、社内などで直接端末にログインして行われるという単純な方法が多いのだ。
もちろん、組織に所属している者たちのモラルの問題が最も重要ではあるが、やはり技術的に解決できる部分は潰しておく必要があるだろう。
そこで、マウスの使い方で個人を特定できるセキュリティマウスが考案された。
マウスの握り方の癖でセキュリティ
Raytheon社のサイバーセキュリティエンジニアであるKaufman氏が考案したセキュリティマウスは、バイオメトリック圧力センサーによってユーザーを特定できる。
ユーザーがマウスを使う際の握り方を、複数の圧力センサーによって分析するのだ。力加減だけでなく、力が掛かる位置も座標上で分析する。
いわば、ユーザーがマウスを使う際の癖を測定・分析するのである。従って、登録されていないユーザーがマウスを使い始めると、登録ユーザーの癖が再現されていないために、コンピューターへのアクセスが拒否される。
そのような方法で正確にユーザーが特定できるのかどうか不安になるが、認証の失敗は1万人に1人程度だというからかなり正確だ。
実は全くことなるアプローチで、富士通もマウスにセキュリティ機能を持たせている。
バイオメトリクス技術という面では共通だが、富士通では手のひらの静脈認証方式を採用した。こちらはマウスを使用する前に手のひらをかざすと、登録ユーザーかどうか認証される。
生体認証セキュリティは普及する
コンピューターを利用する際、タッチパッド利用者であれば必ずマウスを接続しているとは限らないので、マウスによるセキュリティがどれほど有効か疑問もある。
ただ、パスワードだけの認証に依存するよりも、多重なセキュリティが施されていれば、より安全ではある。それに、オフィスに忍び込んで、そこにマウスが接続されたパソコンがあれば、犯罪者はやはりマウスを握るはずだ。
以上のように、これからも不正アクセスの問題がある限り、顔認証や指紋認証、網膜スキャンなどのバイオメトリックによるセキュリティは、ますます普及するであろう。
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【参考・画像】
※ Customer Success Is Our Mission – Raytheon