『X PlusOne』とは
構造は至ってシンプル。4枚の翼の先にそれぞれローターを取り付け、垂直離着陸した後は機体を水平に傾けて、飛行機のように飛行する点だ。これにより最高速は100km/hをマークする。
アイディアは古くからあった
飛行機を垂直離着陸させようという試みは古くからあり、そのうちのひとつ、『XFY-1』は2重反転プロペラを機首に1つ装備するものだ。
機体がロケットのように立った状態で垂直離着陸が可能で、離陸後、機体を水平にすることで通常の飛行機同様に飛行することができる。
しかし、当時はパイロットがすべてを手動で操作しなければならないが、離着陸時はコックピットが立った状態となるため姿勢がつらく、高度なバランス感覚が要求された。
致命的だったのは、真下の視界が悪くて非常に操作がしにくく、危険なものであった。時代がジェット戦闘機にシフトするなか、プロペラ機の戦闘機は垂直離着陸が可能というメリットを加味しても有用性が認められず、試作機だけに終わっている。
『X Plus One』は『 XFY-1』の2重反転プロペラが4ローターに置き換わった以外、十字にクロスするデルタ翼構造が類似しているとも考えられる。
『XFY-1』と違い、『UAV(無人航空機)』のため、パイロットの姿勢や視界といったものを憂慮する必要はない上、ジャイロやGセンサー、コンパスにGPSといったセンサー類の助けにより、離着陸に空中静止は非常に容易である。『UAV』だからこそ、この構造が生きてくる。