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たった4%でも画期的!リサイクル材を使用した「乾電池」が未来への第一歩

リサイクルによって環境負荷が増えることもある

しかし、一般社団法人電池工業会のウェブサイトを見ると、“リサイクル”というプロセスの難しさがわかる。

「乾電池は、水銀を使用していない場合、現在の技術においては全てを回収・リサイクルすることは適切ではないと考えています」という記述が見られる。

なぜか? その理由も書かれている「家庭用乾電池の回収は、リサイクルによって得られる環境保護上の利点よりもリサイクルによって発生する環境に対する有害な影響の方が大きい場合がある』というのだ。

これは日本だけでなく、日欧米三極電池専門家会議の公式見解だ。なお、日本においては1990年代初頭に、乾電池に水銀は使用されなくなり、廃棄による環境負荷は小さくなっている。

こういったリサイクル事情にもかかわらず、エネジャイザーが乾電池リサイクル材を使った乾電池の製造を始めたということは、メリットがデメリットを上回ったからだろう。

 

乾電池に限らず、リサイクルすることで、むしろ環境負荷が増えてしまうものは多いのではないだろうか。そのハードルを乗り越えるためには、単なるリサイクルではなく、“環境負荷の小さいリサイクル技術”のためのイノベーションが必要だ。

その点で、たった4%とはいえ、乾電池リサイクル材を使った乾電池の製造技術というのは、未来への大きな一歩なのだろう。

 

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【参考・画像】

※ Energyzer

※ 一般社団法人 電池工業会

※ 野村興産