神の御業を見よ。神が曲げたものを誰が直しえようか。- 旧約聖書『伝道の書』-
これは、1997年に上映されたアメリカのSF映画『ガタカ』(原題:『Gattaca』)の冒頭で引用された言葉だ。
『ガタカ』は、DNAの基本塩基のイニシャルで構成されたタイトルからもうかがえるように、遺伝子操作により生まれながらに優れた能力を持った“適正者”と、自然出産により欠陥のある遺伝子を持った“不適正者”との間に厳格な社会的差別がある近未来を描いた名作である。
最近では、日本でもDeNAグループの『MYCODE』や『GeneLife』など、遺伝子検査サービスは身近な存在となりつつあるが、一方で遺伝子検査の利用が進み、医療技術が進んだ先にあるもの、つまりは“パーフェクトベビー”につながることを懸念する声が挙がっている。
映画の世界が今まさに、生殖医療のビジネスによって現実のものになろうとしているというのだ。