かつてAppleの元CEOスティーブ・ジョブズは、iPhone発表時に「アプリケーションによって最適な使い方ができるよう、物理的なボタンは極力なくした」と言っていた。
もちろんそれはソフトウェア上だから可能だったことで、ハードウェアの場合は、より良い使い方のアイデアが浮かんでも、自由に形を変えたりなんてことは難しい。
しかし、ソニーが作った電子モジュール『MESH(メッシュ)』があれば、もう少し自由な使い方ができるかもしれない。
機能の異なる小さな4つのブロックに命令を割り当てる
『MESH』は、4つの異なる働きをするブロックを自由に組み合わせ、コンピューターDIYを楽しめるキットだ。
各ブロックは、スイッチを備えたもの、加速度センターを備えたもの、LEDを備えたもの、外部端子を備えたものの4つで基本パックとなる。大きさはフリスクケースほどで、厚さも約1cmと小さく、柔らかな色使いで大変親しみやすいデザインだ。
これらブロックは専用のiPadアプリで制御が可能。特別なプログラミングスキルは必要なく、ドラッグ&ドロップで好きなように命令を割り当てられるようになっている。また、それぞれのブロック同士もBluetoothで接続可能だ。
身の回りの様々なものと組み合わせ“スマート化”してしまう
それぞれの機能や動作を割り当てたブロックは、身の回りの家具や小物類などに貼り付けることで、簡単にスマート化が可能となる。
例えば、ポストの蓋が動くと加速度センター付きのブロックが反応し、スマホに通知。
クローゼットのドアを開けるとLED付きのブロックが反応し、ライトアップ。
部屋の照明スイッチを自作。
などなど、アイデア次第でいくらでも電子化が可能だ。
今年の1月初めにクラウドファンディングサイト『Indiegogo』で資金公募を開始。目標額5万ドルのところ、既に4万ドル近くまで集まっており、締め切りは3月7日だ。
もし、順調に開発が進めば、ユーザーが考えた組み合わせや使い方のアイデアをレシピのようにまとめ、自由に共有できるようにしたいとのこと。
加速度センサーなんかは、スマートフォンが市場に出回るようになってから耳にするようになったものだ。もっと昔から身の回りにあったかもしれないが、突然目の前に出されて「これで何か作ってみて」と言われてもピンとこなかったかもしれない。また、それらを制御するiPadアプリも今だからこそである。
こういった技術を誰でも簡単に扱えるようにするというのは、単に高性能で便利なものを作って販売するよりもずっと意義のあることなのかもしれない。最初から完成したものをリリースするよりも、レゴブロックのようにパーツの状態で販売したほうが、思いもよらない使い方が考案される可能性は高い。
『MESH』はフルセットで約18,000円から入手可能(数量限定)。ビビっときた方は、トライしてみてはどうだろう?
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