トヨタが移動式水素ステーションを準備
そこでトヨタグループの豊田通商が2月6日、ガス事業大手の岩谷産業とガス供給システムを手掛ける大陽日酸の3社で1,000万円ずつ出資して、移動式水素ステーションを運営する新会社、合同会社日本移動式水素ステーションサービスを設立した。
豊田通商は新会社の事業運営管理を行い、岩谷産業と大陽日酸が水素供給設備の製造、新会社への水素供給と現場管理を行うもので、大陽日酸が開発した移動式の水素ステーション『ハイドロシャトル』を活用して、FCV用の水素供給拠点を早期に確保しようという訳だ。
移動式水素ステーションの特徴は、定置式に比べて敷地面積が3割程度で済むことや、建設工期が6割程度で済むこと、そして設置コストが約5割(2~3億円)と半分で済むことの3点。
高圧ガス保安法において、敷地境界や道路境界から8m以上離れていれば設置が可能で、新会社では一基あたり1.8億円の政府補助金を活用する計画という。
『ハイドロシャトル』はオフサイトステーション(工場で製造した水素をステーションに輸送する方式)としてはもちろん、場所を移動して水素を供給する出張ステーションとして、さらにはオンサイト(水素ステーション内で原料を改質して水素を製造する方式)からオフサイトに運ぶ運搬車としても活用が可能で、外部から電力や水、ガスの供給を受ける必要もないそうだ。
新会社は3月下旬に日本初の移動式水素ステーションとして営業を開始する計画で、まずは東京都 千代田区でスタート。その後年央を目処に大田区や愛知県でも開設する予定で、計5台の『ハイドロシャトル』を投入予定だ。
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