「ねぇ、●●ちゃんがさっきそう言ったの」「●●くんに聞いたらこっちの方がいいってさ」
おもちゃを手に持った子どもたちがこんな風に言ってきたら、あなたはどう思うだろうか? ドキッとするかもしれないし、子どもたちの想像力はすごいなと感心するかもしれない。
でもすぐに「子どもの言うことだから」と、うまくあしらうのだろう。
だが、純粋な彼らは嘘などつかないのだ。どうやら本当に人形が喋り出す日がきたらしい。
話しかけると一緒に成長してくれるバービー
世界中の女の子に愛され続けてきた着せ替え人形バービーが、ついに会話できるようになるそうだ。
NYで行われた玩具見本市『New York Toy Fair 2015』で披露されたバービー人形『The Hello Barbie』は、人の言うことを理解し、瞬時に受け答えするのである。
“受け答え”ができるおもちゃはこれまでもたくさん存在したが、あらかじめ用意された数種類のフレーズに対して反応し、返事をするのがやっとだった。
『The Hello Barbie』は高度な音声認識機能をもち、さらにオンラインに接続が可能。WiFiさえ繋がっていれば、会話の内容や場面に合わせた柔軟な受け答えができるそうだ。
また、話しかけた内容をクラウドに記憶して分析、次に話しかけたときはまた違った返事ができるなど、子どもと一緒に成長していくといった要素までもっている。
私たちはITを“使う”が、これからの世代は?
今回の『The Hello Barbie』のニュースを見て、オンラインのおもちゃを子どもに与えるのはちょっと危険と考える人や、彼らの大切な想像力を奪ってしまうと懸念する人もいるようだが、果たしてそうだろうか。
幼いころ、女性であれば、着せ替え人形のようなおもちゃにはたくさん触れたことだろう。いろんな想像を膨らませながら、時に現実との境目がなくなってしまうほど夢中になってしまう子もいたかもしれない。
それがスマート化し、話しかければきちんと受け答えしてくれるというものに触れ続けた子どもたちは、ITデバイスをどのように従えるのだろうか。これまでのような“(ツールを)使う”といった概念は薄れてくるのかもしれない。話しかければなんでも答えてくれる相手はGoogleではなく、バービーなのだから。
iPhoneには音声認識操作のSiriが搭載されているが、正直あれを人前で使うのは少し躊躇してしまう。しかし、実際に使ってみると指で操作するよりも断然便利なシーンは多々ある。『The Hello Barbie』を通った子どもたちが大人になり、Siriを使うところを想像してみてほしい。もちろんiPhoneだけではない。身の回りにあるものすべてを、だ。
私たちが必死でキーボードを叩いている横で、楽しく会話をしながらとてつもない速さで仕事をこなしていくかもしれない。家に着いたら温かいお風呂が用意されていて、一言「ありがとう」というと、「どういたしまして。明日の予定は?」と返事が返ってくる。そんな世界が、もうすぐ生まれてくる子どもたちの世代から始まるのかと思うと、大人の私でも心踊る。
玩具業界では、今後『The Hello Barbie』のようなハイテクトイがどんどんリリースされる予定なのだそうだ。想像力を奪うどころか、私たちがITの勉強をし直さなければならなくなるかもしれない。
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【参考・画像】
※ Hello Barbie is the First Interactive Barbie Doll – CHIPCHICK