こんな簡単な仕掛けに誰も気付かなかった
それでは『Flow Hive』にはどれほどハイテクな仕掛けが施されているのか、というと、これが実に単純な仕掛けだった。
『Flow Hive』では、予め蜂の巣の形状に作られた巣板が巣箱にセットされている。
すると、ミツバチはそこにせっせとハチミツを貯めるのだ。そしてハチミツが貯まったことを、巣箱の背面にある透明な窓から確認できたら、ハチミツを取り出すチューブを巣板の下部に取り付け、上部にあるバルブを捻る。
巣板の六角形部分が中央を境に上下にずれ、上から下までの互い違いの段に変わる。
この単純な仕掛けが画期的だった。
六角形に貯まっていたハチミツは、六角形がずれたことで重力によって下に落ちていく。そして巣箱の下に貯まったハチミツが、取り付けたチューブを通して巣箱の外側に出てくるのだ。
あとはそこに瓶などを置いて受けるだけ。ハチミツの状態にもよるが、20分から2時間程度で蜂蜜が自動的に採取できる。しかも採取した蜂蜜には、蜂の死体や羽などの不純物が混ざっていないため、すぐに商品化できるという優れものだ。
養蜂家にとっては福音だ
『Flow Hive』によって、養蜂家は安全に、そして手軽にハチミツを採取できるようになるし、ミツバチも傷つけられたりストレスを与えられることがなくなる。また、巣箱を開けていじくり回すことがないため、病気の感染も防げるとのことだ。
ただ、『Flow Hive』はセイヨウミツバチを対象に作られており、例えば日本のニホンミツバチなどには、巣のサイズが合うかどうかわからない。従って、すぐに日本でも利用可能かどうかは、製品化された段階で確認することが必要だ。
それにしても、今まで多くの養蜂家がこのアイデアに気付かなかったのだと思うと、感動的な発明である。
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【参考・画像】
※ Flow Hive Honey on Tap Directly From Your Beehive | Indiegogo