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小惑星をアプリで発見!NASAが開発した「Asteroid Grand Challenge」

新しいアルゴリズムを採用したソフト

このプロジェクトは『Asteroid Grand Challenge(小惑星 大チャレンジ)』と名づけられている。実はこれに先だって、昨年の『サウス・バイ・サウスウエスト』で『Asteroid Data Hunter Challenge(小惑星データハンターチャレンジ)』というイベントがスタートしていた。

昨年12月に終了したこのコンテストは、地上にある天体望遠鏡で撮影した画像から小惑星を見つけ出すアルゴリズムを大きく進歩させる技術を開発した参加者に、トータルで5万5,000ドルの賞金が授与されるというものだった。

その受賞作を融合させた結果、感受性が高く、間違いは最小限で、不完全なデータは無視することができ、あらゆるコンピューターで使用可能な優れたアルゴリズムができあがった。

これまでの小惑星の発見方法というのは、同じ場所で別の時間に撮った空の写真を見比べて、動いている星を探すというものだった。これは冥王星が発見された1930年代から変わっていない。しかし、空を観察する望遠鏡が圧倒的に増え、データ量も膨大になった現在、天文学者が手作業でそのような作業をやるのはもはやナンセンスだ。

しかし、この新しいアルゴリズムを使えば自動的かつ迅速に画像をチェックし、小惑星発見の個数を増やすことができるのだ。実際このアルゴリズムによって新たな小惑星の発見は15%増えているという。

この『Asteroid Grand Challenge』は、民間の科学者や天文愛好家とNASAの仕事を、従来にはない形で結びつける試みです。『Asteroid Data Hunter Challenge』は我々の期待以上の成功を収めてくれました。小惑星の発見において明確に進歩を生み出し、さらに多くのひとが、我々の惑星を守る役割を果たすことができる可能性を示してくれました。

と、NASAの『Asteroid Grand Challenge』のプログラム担当の幹部であるJason Kessler氏は言う。

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