リサイクルには不向きだった
パッキング・ピーナッツは廃棄やリサイクルに関して、実はやっかいな代物らしい。
緩衝材としては便利なので世界中で使われていますが、破砕しにくいこともあり、ほんの10%しかリサイクルされていません。密度が低いせいでリサイクル業者がパッキング・ピーナッツを運ぶためには大きなコンテナが必要になってしまうのです。そのためコストがかかり、あまり利益にならないのです。
と、研究チームのひとり、Vilas Pol教授は語る。そのためパッキング・ピーナッツは産業廃棄物として廃棄されることが多く、何十年もそのまま残ってしまう。でんぷん製のパッキング・ピーナッツは、ポリスチレン製のものより環境にやさしいものの、それでも化学物質や洗浄剤を含んでいるので、自然の土壌や水を汚染して、海の生物に害を及ぼすおそれがあるという。
彼らがこの研究をスタートしたきっかけは、新しい研究室を作ったときに大量のパッキング・ピーナッツが出たことだという。そこで、それをなにかに役立てようと思いつき、リチウムイオン電池において、従来のグラファイトを使った陽極よりも速く充電ができ、より高い比容量を実現する新しい陽極を作ることに成功した。
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